「歯科オタクの診療日記 2022年4月25日」
「高額な入れ歯は、経験豊富な歯医者さんが安心ですよ」
「人生初、300万円の入れ歯を紛失されたお話を聞いてください」
インプラントと天然の歯を利用した、とても珍しい症例です
下の写真を見て下さい。90歳の患者様のお口の中です。
上アゴの写真です。
何やら、銀歯だらけですね・・・
そして、写真左側の奥歯にはインプラントが埋め込まれています。

でもこの銀歯は、超精密加工されたものです。
当院が専門のドイツ式入れ歯です。
正確には、テレスコープ式部分入れ歯と呼びますよ。
これは、その内冠と呼ばれている金属冠の画像です。
この金属冠の上に、入れ歯がはめ込まれるのです。
下の写真が、はめ込まれる部分入れ歯です。
お口の中に装着された状態です。
治療後10年間、ノートラブルです。でも・・・
装着後約10年経過しています。特に、トラブルはありません。
でも、入れ歯のベテランのあなたならご存じだと思いますが、
保険の部分入れ歯を装着すると、2~3年程度でバネを引っかけられた支えの歯を
失う事が多いです。
当然、入れ歯の作り直しになります。
そして、どんどん総入れ歯に近づいて行くのです・・・。
参考までに、下記のサイトもご覧ください。
★保険の部分入れ歯はどうしてお勧めできないの?
もちろん、ドイツ式入れ歯でも歯を失うリスクはありますが、
正しい設計をすればそのリスクは最小限です。
さらに、あらかじめ弱い歯を失う事を想定した設計にすれば修理も容易です。
ドイツ式入れ歯の利点は、修理しながら長期間使用できる点です。
300万円の入れ歯が、ゴミと共に消えました・・・
ところが、思わぬトラブルが発生しました。私も人生初の経験です。
なんと、入れ歯を紛失されたのです・・・。
うっかり、ゴミと一緒に捨ててしまったようです・・・。
通常の入れ歯なら、歯型を採って作り直すだけですが
超精密加工されたテレスコープ式入れ歯は、特別な製作工程があります。
内冠と呼ばれる超精密加工された金属冠にピッタリと適合させるために、
お口の中で歯型を採り、間接的に製作された模型では無く、
直接、内冠と呼ばれる金属冠を利用して現物に適合させるのです。
何だかよく解りませんよね・・・?
模型を使ってお見せしますね。
下の画像は別の患者様の症例です。
下の写真が、入れ歯製作用の模型です。
超精密加工された金属冠が歯型に組み込まれています。
その金属冠に、直接はめ込まれる部分入れ歯を合わせていくのです。
そうすれば、誤差は最小限です。
でも、今回は内冠と呼ばれる金属冠はすでにお口の中に装着されています・・・。
幸い、インプラント部分だけは取り外す事ができるのですが、
天然の歯の部分は無理です・・・。
高額な入れ歯は、経験豊富な歯医者さんがお勧めです
でも、何とか頑張るしかありません。もちろん、全ての金属冠を外して再制作するのが理想的です。
でも、ご高齢ですからなるべく負担が少ない方法を選びたいですよね。
ひとまず、仮の歯を急遽製作しました。
これで、ひとまず安心です。
丁寧な歯医者さんは、あなた専用のトレーを製作します
さて、下の写真が歯型を採るための専用トレーです。できる限り精度の高い歯型を採るためには、必須となります。
さらに、インプラント部分のパーツを着脱するために、
ドライバーを挿入する穴が開いていますよ。
実は精度にこだわらない歯医者さんは、面倒なのでやらない人が多いです。
インプラント部分が歯型に取り込まれたのが解りますか?
右側、3つの銀色の部分がインプラントですよ。
途中の写真を撮り忘れて残念ですが、
苦労して歯型を製作してやっと金属フレームが完成しました。
フレームは、精度を高めるために2分割で製作しています。
なんとかお口の中に、定位置まで挿入できました。
でも実はとても苦労しました。
今回のドイツ式入れ歯は、
フリクションテレスコープ式入れ歯と呼ばれる技法を使っています。
参考までに、下記のサイトもご覧ください。
★フリクションピンテレスコープ(超精密加工された金属の2重冠を利用した症例)
特殊なピンで入れ歯を固定するのですが、通常通りに製作できないために
維持力の調整が難しいのです。
そのために、歯型を再度採りました。
通常の歯型は、石膏を使用する事が多いのですが今回は樹脂を使用してみました。
その樹脂の歯型を利用して、調整を繰り返したのです。
何のことかさっぱり解らないと思いますが、とにかく大変でした・・・。
そして、お口の中で特殊な樹脂で固定します。
これを、巧みの技で歯科技工士さんがレーザー溶接します。
下の写真が、連結後の金属フレームです。
そして、再度お口の中に装着して確認します。
そして、白い歯の部分を製作します。
入れ歯の裏側です。
少し拡大しますね。
特殊なピンが埋め込まれています。
解りますか?
そして、お口の中です。
正面からみた写真です。
いかがですか?
何とかリカバリーできました。
超精密加工された入れ歯を紛失されたという、人生初の経験でしたが何とかなりました。
一安心です。
優秀な歯科技工士さんと提携している歯医者さんが、お勧めですよ
技工士さんにも感謝です。巧みの職人、飯塚技工士さんに感謝です。
特殊な入れ歯は、経験豊富な歯医者さんがお勧めですよ。
もしもの時にも、何とかしてくれます。
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※詳細な診断をご希望される場合には、保険診療にてレントゲン撮影・歯周組織検査をお勧め致します。
現在の状態を詳細に把握することができ、それにより具体的な治療法のご提案が可能となります。
(健康保険の一部負担金は、3割負担の方で~3,500円程度です。相談料は、無料となります。)
※レントゲン撮影、歯周組織検査をご希望されない場合、具体的な治療法について提案が
できない場合があります。(こちらの相談をご希望される場合、一回3,000円の費用がかかります。)

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