今回のお話は、前回の続きになります。
「適当に選んでいませんか?
歯医者さんの知識と技術で、あなたの歯の寿命が決まるのですよ・・・」
下の写真を見てください。
50代の女性の患者様です。
入れ歯の悩みでとても苦労されて、インターネットで検索され遠方より来院されました。
治療前の写真です。
歯周病もかなり進行しています。
上の歯の写真です。
かかりつけの歯医者さんでは、
「全部の歯を抜いて総入れ歯にしましょう」
と言われたそうです。
もっとも、すでに状況は総入れ歯と同じです。
総入れ歯の下に、ボロボロの歯が
8本隠れている状況でした・・・。
この写真を見たら、ほとんどの歯科医は
全ての歯を抜歯と診断するでしょう。
でもまだ50代です。
50代の患者様からこんな事を言われた事があります。
「先生、1本でもよいのでなんとか自分の歯を残せませんか・・・?」
「総入れ歯になると、なんか老人の仲間入りするみたいで
自信まで無くしそうです・・・。」
見たいな感じです。
そんな経験から、私はできるだけ歯を残す努力をします。
もちろん、あなたと相談して
歯を残す場合と、抜歯する場合の
メリットとデメリットを検討して
将来起こるトラブルに
対処できる治療法を吟味します。
なんでもかんでも、保存すれば良いとは限りませんよ。
この患者様の場合は、
入れ歯を設計する場合に問題があります。
①下アゴの前歯が残っていて、上の入れ歯を外す力が働くので
上アゴの総入れ歯にとっては、とても悪条件となる
②歯を失う前から、もともと反対咬合で上アゴが小さい。
総入れ歯の場合、下アゴに比較して上アゴが小さいと
上の入れ歯が不安定になりやすいのでとても条件が悪い。
とても、不利な条件がそろっているのです・・・。
ということで、上の入れ歯の安定性を高めるために
歯を保存する方法を考えました。
どうしても無理な歯を抜き、保存できそうな歯に歯周外科手術をしました。
下の写真が、手術後です。
歯の部分を拡大しますね。
写真の黒い部分以外は、もともと歯肉の下に隠れていた根っこです。
手術をして、根っこを露出させたのです。
銀歯を装着した歯が長持ちするためには、、
歯肉の上に自分の歯が最低2ミリ程度は
露出している必要があります。
さらに、露出している部分の根っこの厚みが1ミリ以上は必要なのです。
その条件がクリアできそうな歯は3本だけでした。
下の写真は、黒いむし歯の部分を除去したところです。
歯医者さんがこの写真を見たら、残せると診断しますよ。
早速、土台を製作します。
グラスファイバーの丈夫な芯を立てて、樹脂で補強します。
そして、形を整えるのです。
まだ歯肉が成熟していないので、大まかに整えます。
歯周外科をしたら、最低4ヶ月以上は歯肉の安定を待つ必要があるのです。
現在は、この上に虫歯予防の金属冠が装着されていますよ。
その上から、仮の入れ歯がはめ込まれています。
参考までに、治療前が下の写真です。
このようにして、状態の悪い歯でも保存可能な場合があります。
でも、歯周外科手術が苦手な歯医者さんには難しいと思います・・・。
歯医者さんの考えや技術によって、あなたの歯の運命がきまるのです・・・。
専門家の歯医者さんでも、知らないことがたくさんあります。
今は情報があふれています。
抜歯の宣告をされても、
すぐに信じないでいろいろと検索してくださいね。
あなたが、良い歯医者さんに出会える事をお祈りしていますね。
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