「お子様の歯並びでお悩みのお母さんへ！
　大切な永久歯を抜かれて、後悔しないために、
　是非知っておいて欲しいお話　」
　以前の記事でも書きましたが、
あなたは、こんなお話を聞いたことがありませんか？
「最近の子供は、アゴの発育が悪くなっている」
「昔より、アゴが小さくなっている」
というお話です。
そういう私も歯並びを治す、
歯列矯正のセミナーで習った事があります・・・。
でも最近では、
「実は、子供（人間）のアゴの大きさは小さくなっていなかった」
と解剖学者から多くの発表があるのです・・・。
どちらが正しいのでしょうか・・・？
冷静に考えれば、
「どうやらアゴの骨は、小さくなっていなかった」
というのが、正しいようです。
なぜなら、
①子供のアゴが小さくなって、歯並びが悪くなったと
言われているのが日本だけだからです・・・。
②そして、歯並びの異常が多すぎます・・・。
　私は小学校の校医をしていますが、
半数以上の生徒に歯並びの異常があるのです・・・。
③「アゴが小さくなるなどの」人間の進化は
数十年程度の 短い期間では進まないからです。
「じゃ～、どうして私の子供は歯並びが悪いの～？」
って思いますよね・・・。
実は、あなたの子供さんの歯が、きれいに並ばないのは
アゴの発育が悪いのでは無く、
歯が内側に傾いているために、並ばない事が多いのです・・・。
もちろん、アゴの発育には噛む筋肉、
舌や頬などの筋力が重要なのは当たり前ですよ。
今回のお話は、
アゴが正常に発育していても、
歯が内側に倒れてしまう事による
歯並びの異常が多いという事です。
以前の記事にも書きましたが、
舌の力が弱いのが原因なのです。
アゴの内側の舌による力が弱いために、
歯が内側に倒れてしまうのです・・・。
模型で説明しますね。
下の写真が、私たちが歯列矯正のセミナーで使用する
練習模型です。

歯並びが悪くしてあります。


金属製の銀色の歯がグロテスクですね！（笑）
赤い部分が、ワックスになっています。
この銀歯に、矯正装置の針金を装着してお湯にいれると、
埋め込まれた銀歯の周りのワックスが、
溶け出して歯が動くのです。
結構楽しいですよ！
話を、戻しますね！
アゴの大きさが正常でも、歯が内側に傾いていると
下の写真のようになるのです。


そして、傾きを修正するとこうなります。


ちなみに、修正前です

上から見ると、修正前

修正後

いかがですか？
同じアゴの大きさでも、歯が並びましたね・・・。
この模型のように、歯の傾きを治すだけで
歯を並べるための、足りない隙間を作れるのです。
この模型のような歯並びの場合は、
矯正治療では、
ほとんどの医院では,
２本の歯を抜くことになります・・・。
糸切り歯の隣の、
小さい奥歯を左右１本づつ抜くのです・・・。
あなたは、
「だったら、矯正治療で歯の傾きを治せばいいのに～！」
って、思いませんか・・・？
あなたの、言う通りです・・・。
でも実は、
通常の矯正治療は歯の傾きを治すのが苦手なのです・・・。
特に、大きな奥歯の傾きを治すのは難しいのです・・・。
なぜなら、歯の表側に針金を付けるからです。
歯の表側に針金を巻いて、歯を縛ればどうしても、
歯は内側に倒れますよね・・・。
いろいろ工夫はされていますが、
力学的に無理があるのです・・・。
そこで、ある先生はこんな装置を考えました。
下の写真です。
床矯正装置と言います。


入れ歯のような装置です。

真ん中にネジが付いていて、回すと隙間が出来ます。
左右に拡がるのです。
私も最近まで、たくさんやりました。
でも問題があります。
これは、取り外しができるのです。
（利点でもあるのですが・・・。）
あなたが入れてくれなければ、歯は動きません・・・。
１日、１４時間以上の装着時間が基本なのです・・・。
子供さんは、なかなか装着時間を守ってくれないのです・・・。
だって、かなり違和感が強いのです・・・。
理由は、お口の中が狭くなるからです・・・。
歯並びが悪い人は、ただでさえお口の中が狭いのに、
そこに、大きな装置が入るのです・・・。
舌の居場所が無くなるのです・・・。
装置の厚さはこんな感じです・・・。


病気の治療とはいえ、結構負担が大きいのです・・・。
成長中の子供だから、我慢してくれているのです・・・。
感謝です。
つまりこの方法の最大のデメリットは、
子供さんに主導権があるので、
装置をきちんと入れていなければ、
何年経っても治らない事です。
お互いに、残念な結果になるのです・・・。
私も自分でマウスピースを入れていますが、
下の歯の内側は気になります・・・。
初公開、私のお口です。



マウスピースも用途により種類があるので、
普段は、下の歯の内側が無いタイプを入れています。
私も、少しアゴがずれているので、
マウスピースを入れていると肩こりが少ないのです。
話を戻しますね。
最近では、治療効果を上げるために、
こんな装置に変更しています。

歯の裏側に、針金が１本付いているだけです。
（３ＤＬと言います）

床矯正装置よりも、ずっと違和感が少なくなりました。
これは、外せません。
治療の主導権は、歯科医にあります。
最大のメリットは、
歯の裏側から、力をかける事が出来ることです。
つまり、歯の傾きの修正に最適な装置なのです。
この装置を使う事により、
あなたのお子さんのお口の中に、
乳歯がまだ残っていれば
ほとんどの症例で、歯を抜かないで歯並びを
治す事ができます。
この装置のメリットは
①乳歯が残っている年齢なら、
ほとんどが歯を抜かないで治療が可能になる
②床矯正装置のような、違和感が少ない
③乳歯が残っている間は、表側に装置をつけないので、
矯正している事が、周りの人にわからない
④子供の、肉体的、精神的負担が少ない
などです。
さて恒例の、歯医者さん選びのコツを伝授しますね！
「歯を抜かない矯正治療」
に力を入れている歯医者さんの見分け方です。
歯医者さんで、歯並びの相談をする時には
こんな、質問をしてください。
①あなたのお子様が、まだ乳歯が残っている年齢の時は
「歯の表側に、針金をつけて縛りますか？」
良い答えは、「針金は、まだ入れません」ですよ～！
②床矯正以外の、選択肢もありますか？
③歯を抜かないでも、歯は並びますか？
特に、下の歯は抜かないでもらえますか？
④歯の裏側につける矯正装置、「３ＤＬ」って知ってますか？
という感じです。
あなたの、お子さんの大切な歯を抜かれないためですよ～！
是非、覚えてくださいね！
ではまた。