2021年11月10日

二日で完成総義歯。その後、歯肉の治癒を待ち、最終的な総入れ歯まで。

「二日で完成総入れ歯!週末までに、どうしても入れ歯をいれたいあなたへ!」

下の写真を見てください。40代の患者様です。
上下のアゴに、他院で製作された仮の歯が装着されています。
専門家が見れば、ひと目見ただけでこの方の苦労が解ります。
予想通り、長い間、歯の問題で悩まれていたそうです。



インターネットでいろんな歯医者さんのサイトを調べて、たまたま私のブログにたどり、着き県外から治療の相談にお見えになりました。

上アゴの仮の歯です。

下アゴの仮の歯です。

診査の結果、現在の仮の歯を支えている歯は保存不能な状態でした。
残念ですが上下の歯は、全て抜歯となります。

現在の歯科治療では、全ての歯を失った場合でもインプラント療法を用いれば元の歯のように、固定性の歯を復元する事が可能です。

こちらは別の患者様のお写真になりますが、下の写真の患者様は、全ての歯をインプラント療法で復元しています。術後8年目で経過良好です。



参考までに、別の患者様の治療前のお写真です。

現在では多少のリスクはありますが、1~2日で総入れ歯から固定性の歯に戻す事もできます。

下の写真をよく見てください。
マッチ棒みたいな、銀色の棒が5本立っています。
これは、仮の歯を固定するミニサイズのインプラントです。
およそ直径が2ミリです。

そこに、固定性の仮の歯をはめ込むのです。

インプラント療法の欠点は、アゴの骨に埋め込まれたインプラント本体が骨に固定されるまで、固定性の歯を入れる事できない点です。
でも、その問題も仮の歯専用のインプラントを使えば解決できます。
上の写真のように、手術当日に固定性の歯が入るのです。

では、先程の患者様の話に戻ります。

今回の患者様は、インプラントや入れ歯などいろいろな治療法について、利点や欠点をお伝えした結果、総入れ歯を選択されました。
当院は、インプラント治療と高機能な入れ歯治療の両方の治療に精通しています。

あなたが望まない治療法を押しつける事はありません。

さて、治療開始です。
今回の最大の難関は、患者様のご希望が歯の無い期間を最小限にしたいとの事でした。
何らかの入れ歯をお持ちなら、応急的にその入れ歯を修理する事もできます。
でも今回は、初めての入れ歯です。

前回の記事でも紹介しましたが、インターネットで検索すると「1日で入れ歯が完成します」と宣伝している歯医者さんがあります。
当然、そのような特別な医療サービスは高額な自費診療です。
保険治療ではありません。

でも、自費診療なのにその品質は決して良いとは言えないでしょう。

確かに、1日で入れ歯を装着していますから何ら問題は無いかもしれません。
しかし、個人的には「早い、高い、下手」では意味が無いと思います。

当院では、仮の入れ歯でも自費診療です。
できる限り高品質の入れ歯をご提供するために1日仕上げの限界を感じ2日間で仕上げています。

では、実際の治療の流れを見ていきましょう。
①仮の歯を外します。

上アゴです。

下アゴです。

歯医者さんが見れば、歯が保存できない事がすぐに解ります。

②歯型を採ります。



③模型製作します。


④咬みあわせの記録を採る器具を製作します。
 咬みあわせの記録を採ります。

⑤人工の歯を並べて、咬みあわせと見た目の確認をします。
実際のお顔の写真は個人情報がありますのでお見せできませんがあなたと一緒に、歯の色や長さ、前歯の見え方、口元の膨らみをチェックします。

*1日で仕上げる場合は、この確認作業がおろそかになるか省略するしかありません。
だから、他院の1日仕上げの入れ歯は質が落ちるのです。
もちろん、理由はそれだけではありませんが...。
どうしても1日で仕上げる場合は、すぐに作り治しが前提になります。
費用も余分にかかります。

当院では朝10時くらいから治療を開始して、夕方4時くらいに歯を並べて確認します。
6時間弱で仮合わせをします。
歯医者さんや歯科技工士さんなら解りますが、とても大変な作業です。

⑤完成装着です。
もちろん、確認していますから歯科医目線ではバッチリです。
しかし、どんなに良くできた入れ歯でも、評価するのはあなたです。



こちらは製作途中の画像です。
歯科技工士さんが見れば解りますが、ドイツ製の精密な器械に装着して製作していますよ。


入念にかみ合わせも調節しています。

製作途中の画像を歯医者さんや、歯科技工士さんに見せれば当院のように丁寧な製作工程1日(実質6~8時間程度)で仕上げるのは、物理的に無理な事が解ります。

嘘ではありませんよ?
かかりつけの歯医者さんに聞いてください。
もちろんあなたも私も徹夜で、24時間頑張るなら可能です。
この患者様は、初めての総入れ歯です。
最初は、慣れない道具を使いこなすのは大変だと思います。

患者様の感想ですが、
「人生最初の入れ歯で、それも総入れ歯なのに想像していたよりも違和感が少なく快適」
だそうです。

まずは、一安心です。
現在装着後数ヶ月経ちますが、入れ歯をさらに使いこなして、今まで食べられなかったいろいろなお料理に挑戦しているそうです。

実はこの患者様の場合は、上アゴの骨が痩せていて上アゴの入れ歯が外れやすいのです。
下の写真は仮の歯を外した状態ですが、歯を抜いているので、現在はさらに歯肉が痩せています。

とても不利な条件にもかかわらず先日お見えになった時には、焼き肉を食べに行って、カクテキを食べたと嬉しそうにお話されていました。

とても綺麗な方なので、劇的なビフォーアフターのお顔の画像をお見せしたいのですが、お顔は秘密です。


この患者様は歯を治療して、長年の歯の悩みから解放されつつあるのが実感できて気持ちまで明るくなったそうです。

今後は最終的に歯肉が安定したら入れ歯を作り替える予定です。
抜歯をすると、およそ1年くらいは歯肉が安定しないからです。
完成したら、またご紹介しますね。

インターネットでは、売り手に都合の良い情報がたくさん出ています。
中には、本当の情報もあるかもしれませんがあまりに時間ばかりを追求して
品質が伴わない治療が多い気がします。

特に入れ歯は、身体の一部として24時間使う道具です。
人工臓器です。
できる限り、丁寧に仕上げる事が大切になります。
私も、歯科医を30年以上やっていますから、丁寧に仕上げた結果、総着後に無調整で済んだ経験は多くあります。
しかし、丁寧に仕上げても、微調整が必要になるのが総入れ歯です。


*****

さて、抜歯後1年が経ちました。
歯肉が落ち着いたので、治療を再開します。

まずはこちらを見てください。

なんだかわかりますか?

これは、顎の動きを調べる器具です。
ゴシックアーチといいます。
これで、咬み合わせの中心を決定しています。

https://www.meguro-shika.jp/images/case_m_fd01/30.jpg
カラスの足跡のような矢印がついているのがわかりますね。
これが、調べた顎の動きです。


そして、先程の矢印を元に、中心になる部分を決定します。
この中心になる部分は、とても重要です。
ゴシックアーチをすることにより、噛んだ時、一番状態の良い顎の位置がわかるのです。

では、この状態を保たせて型取りをしましょう。
型取りが失敗してしまわないように、正確に行います。



綺麗に型取りが出来ました。
これをもとに、技工士さんが人工歯を並べてくれます。

この患者様はホワイトニングをしたような、しかし自然な白い歯をご希望だったので、海外から特注で取り寄せしました。
数ヶ月お待ちいただきましたが、
患者様が
「仮義歯も綺麗で問題なく使えているし、折角なので待ちたい」
と言ってくださいました。
そして、到着した人工歯を綺麗に並べました。


歯を完成時と同じように並べています。
ご本人に何度もチェックして頂きました。
白い歯ですが、お口の中に入れると自然な色味です。
後は、何度も笑った時の歯の見え方、お話時の見え方、正面・横顔の顔の形をチェックしました。

そして完成したのがこちらです。
歯肉の色も、患者様と相談して決めていきました。



最初と比べると全く違います。

最初の歯は
「食事がしっかりできなく、見た目も酷かったのでとてもつらかった」
との事ですが、今は何でも噛めて綺麗な見た目で満足して頂いています。

このように変わることが出来ますので、悩んでいる方は、お口の事で諦めず、一度ご相談にいらしてください。

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